ブラッシング編
シャンプー前にブラッシングをします。今回使うブラシは「スリッカーブラシ」です。今回はミディアムサイズを使いますが、もうひとつ小さいスモールサイズもあります。
ブラシの持ち方は、慣れるまではなるべく力が入らないような持ち方(鉛筆持ち)にしましょう。人差し指と親指で持ち、後の3本の指は添えるだけでOK。力を入れすぎてしまうと肌を傷つけて出血の可能性もあります。自分の腕にスリッカーを当てて、力加減を確認しましょう。
毛の短い部分はスリッカーを大きく動かして、お肌をガリガリしないように気を付けましょう。毛が長い部分は毛をかき分けて少しずつブラッシングしましょう。
尻尾のブラッシングは尻尾自体を引っ掻かない様に毛を横に広げて、その広げた毛をブラッシングしましょう。
毛量の多い部分は片手で毛をかき上げて押さえながらスリッカーを少しずつかけていきます。手でかき分けずに上の方だけブラッシングすると、根本がとけなくて抜け毛やもつれが残る可能性があります。上の毛だけ撫でるようにしても根本の毛はとけません。
目の回りをブラッシングする場合は、目にブラシが当たらないようにしましょう。
耳のブラッシングは耳の裏に手を添えて優しく引っ張らない様に持ち、上から下へブラッシングしましょう。お耳は薄いので傷つけないように注意しましょう。
シャンプー編
まずは全身を濡らします。お湯の温度は温めにしましょう。温度が高いと乾燥、フケ、痒みの原因になります。濡らす際にはワンちゃんがビックリしないように、体からゆっくりお湯をかけてあげましょう。特にビックリしやすい子は、シャワーの水圧を弱めてお尻から少しずつかけてあげると良いでしょう。
毛量の多い部分は、シャワーヘッドを直接肌に押し当てて濡らしていくと毛の根本までしっかりと濡らすことができます。
お尻、股の間、尻尾の裏側、お腹の下、脇、足の先、足の内側など濡れにくいところはしっかりと意識しながら濡らしていきます。顔の付け根、耳の裏なども濡れにくい場所になるのでしっかりとシャワーヘッドを押し当てて根本から濡らしましょう。この時、お耳に直接お水が入らないように気を付けましょう。
お耳を濡らすときはお耳の根本を持ち、指で耳の穴を塞いであげます。耳の付け根から先へしっかりと濡らしていきます。ブルブルするのはお耳に水が入った合図、お耳から水を出すために止めないでやらせてあげましょう。
お顔を濡らすときは水圧を緩めてあげます。鼻にシャワーが当たらないように鼻の方向と逆にシャワーを向けてゆっくりと濡らしましょう。耳の前、アゴの下が濡れにくいので注意。
洗面器で泡を作ります。シャンプーの原液の量は、シャンプーの種類にもよりますが泡立つ程度で十分です。ちなみに今回は「ゾイックNロングシャンプー」を15mlだけ使いました。ゴールデンレトリバーを洗いましたがこれだけの量で足りました。
洗面器で作った泡をスポンジで全身に馴染ませます。使用するスポンジは人が使う浴用のスポンジで大丈夫です。洗うときは、顔以外の部分から洗っていきます。両手でゴシゴシはNG。基本的に泡の洗浄力だけで汚れは落ちるので、無理に擦らないようにしましょう。皮膚と毛に泡を馴染ませるイメージで洗っていきます。
動きまわる場合は片手でワンちゃんの体を支え、利き手で爪を立てずに洗いましょう。それでも動きまわる場合はリードを使うと便利です。
先ほど挙げた「濡れにくいところ」は「洗い残しやすいところ」でもあるので意識しながら洗っていきます。
足は一本一本丁寧に、足の内側、足の裏、指の間までしっかりと洗います。足を無理な方向に上げたり、長時間上げっぱなしにして負担にならない様に気を付けましょう。嫌がる場合は無理せず可能な範囲で洗ってあげましょう。
最後にお顔を洗います。お顔を洗うときは目にシャンプーが入るのだけは絶対に避けてください。もし入ってしまった場合はお水でしっかり流します。シャンプー後に人口涙液(人間用でも可)をつけてあげると尚良いです。「人間用?」と思われるかも知れませんが、人間用のものでも大丈夫です。もちろん、犬用のものもあります。それでも異常(充血、痒がる、パチパチするなど)があるようなら獣医さんに診てもらいましょう。人間と一緒でワンちゃんもお顔は繊細な部分になります。体の時ほど力を入れず、優しく丁寧に洗いましょう。
目脂が固まって取りにくい場合は無理に取ろうとせず、ふやけて柔らかくなったら取るようにします。
お耳を洗うときはお耳にシャンプーが入らないように気を付けます。そして、お耳を引っ張らない様にしてしっかり洗います。お耳の先は、洗い残しやすい部分なので注意しましょう。
洗い終わってシャンプーを流すときは、お顔から流します。濡らすときと同じ注意点を意識しながら「これでもか!!」というほど丁寧に、しっかりと流してください。経験を積んだプロのトリマーでもしっかりと流せていないこともあります。それほど丁寧に、念入りに行わないといけない作業です。大切なことなのでもう一度言います。「これでもか!!」と思う程しっかりと細かいところまで流してください。シャンプーが体に残ってしまうと毛のもつれ、悪臭、お肌を悪くする原因になります。
ワンちゃんによっては一度のシャンプーでは汚れや臭いが落ちきらない場合があります。その場合はシャンプーを2度、3度と繰り返します。その辺りの感覚は、シャンプーを何度かしていくうちに自然に身に付いてくると思います。愛犬に合ったシャンプーの回数を探してみましょう。
リンス編
まず、手桶にリンスの原液をを入れ、お湯で薄めて“リンス液”を作ります。原液の量は、リンスの種類やワンちゃんの毛質によって違いますが、基本的には少量でOKです。毛のもつれや毛玉が気になるワンちゃんはリンス液を濃いめに作ると良いでしょう。
体にまんべんなくリンス液をかけていきます。この時は細かいところは気にせず、全体にかけて大丈夫です。全体にかけたリンス液をしっかり全体に伸ばしてあげましょう。もつれや毛玉ができやすい子は、流す前に少し時間をおいてあげるとリンスの成分が浸透して効果的です。(5分~10分)
最後にお顔にリンス液をつけます。お顔にリンス液をつける時はリンス液を手にとって手でつけてあげましょう。手でつけるのが難しい場合は、タオルやスポンジ(必要に応じて小さく切って下さい)を使うと便利です。
お顔のシャワーが苦手な子は流すのに時間がかかる場合があるので、リンスは無しでも大丈夫です。愛犬に合った方法でしてあげてください。
リンス液を流すときも、お顔から流します。お顔のシャワーの時は水圧を弱めにしましょう。リンスの種類によって違いますが、クリーム状のリンスを使って薄めた場合、流しにくいことがあります。「シャンプー編」のしっかりと流すべき箇所を意識して流してあげましょう。リンスもシャンプーと同じで、流しきれなくて体に残ってしまうと皮膚を悪くする原因になります。
小型犬のお腹の下や脇などを洗う場合は、前足を持ち、立たせた体勢にすると流しやすいです。愛犬が嫌がらなければやってみましょう。
流し終わったら、タオルで拭く前に愛犬が痛がらない程度にかるーく水気を絞ってあげましょう。上から下へ流し落としていくのがコツです。
タオルで拭く時は、普通のタオルで拭く前に「吸水スポンジタオル」を使うと乾かす作業が楽にできて便利です。
爪切り編
ポイントその1
血管を把握する
爪は中に血管が入っていて深爪をすると血が出ます。深爪をしないようにしましょう。犬によって血管の長さは違います。爪が長い子は血管も延びている可能性があります。
用意するものは、爪切りと止血剤です。爪切りの種類はギロチンタイプとニッパータイプがあります。切れ味の悪い爪切りだと、切るときに爪を押し潰してワンちゃんが痛がり、ワンちゃんを爪切り嫌いにしてしまう恐れがあります。切れ味の良い爪切りを選びましょう。「zan」という名前の爪切りがおすすめです。今回は一般的なギロチンタイプ(zan)を使っています。万が一、血が出てしまったときに備えて止血剤も用意しましょう。
ポイントその2
犬をしっかり押さえる
そうすることによって、切りたいところで切れるので深爪を防ぐことができます。爪切りを嫌がる子は、まずは暴れないように押さえる練習から始めましょう。
ポイントその3
少しずつ切る
慣れるまでは一気に切るのではなく、少しずつ切るようにしましょう。爪の先端の尖っている部分が無くなればOKです。そうすることによって出血のリスクを減らすことができます。万が一、出血させてしまっても出血量を最小限に押さえることができるので止血しやすくなります。練習すれば段々出来るようになりますので焦らずゆっくり切っていきましょう。
爪切り後の断面のざらざらが気になる場合は爪やすりをしてあげましょう。「サファイヤ爪やすり」という商品が使いやすいのでおすすめです。
ポイントその4
定期的に切る
ワンちゃんにもよりますが、1ヶ月に1回が目安です。爪切りをしないで伸ばしすぎると肉球に刺さったり、爪が根本から折れたりします。
爪切り後は足裏(肉球回りの毛)にバリカンをかけて綺麗にしてあげましょう。
ポイントその5
終わったらいっぱい誉める!
爪切りが楽しいことだと思わせるためにも沢山誉めてあげましょう。爪一本終わった後や、足一本終わった後など要所要所で誉めてあげても良いと思います。おやつを与えるのも良いでしょう。
最後に
色々書きましたが、全てにおいて愛情を持って作業しましょう。
基本的に、嫌がることはしないようにしましょう。
特に幼少期のワンちゃんは嫌な思い出がトラウマになりやすいので細心の注意を払いましょう。
どうしても難しい場合は、プロに頼りましょう。
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